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小夜
第5章 あめがふる

小夜はお兄さまに命じられた通り、庭へ出ました。
小夜の暮らす離れから、本家のお屋敷まではとても遠いです。
花壇や泉が並ぶその一帯を、まるごと庭と呼んでいますが、実際には庭園と言った方がいいのでしょう。
小夜は初夏のバラが咲く、人気のない花壇に沿って歩いて行きました。
一面に、赤やピンクのバラが咲き誇り、とても美しい景色でした。
泉のそばのあずまやに、お兄さまとカメラを持った女性がいるのが見えました。
お兄さまはその女性を、小夜を撮影するカメラマンだと紹介しました。
小夜のことは、病気で療養中の妹だと紹介されました。
お兄さまは、よそむきの顔と態度をしていました。
病気がちな妹の、晴れやかな姿を残しておきたい。
外に連れ出すのは危険があるので、この庭で撮影してほしい。
そういったことを説明しながら、お兄さまは小夜に微笑みかけました。
「思った通りだ。小夜は白がとても似合うよ」
その言葉は、まなざしは、「大切な妹」に対する、優しい愛情に満ちていました。
小夜の暮らす離れから、本家のお屋敷まではとても遠いです。
花壇や泉が並ぶその一帯を、まるごと庭と呼んでいますが、実際には庭園と言った方がいいのでしょう。
小夜は初夏のバラが咲く、人気のない花壇に沿って歩いて行きました。
一面に、赤やピンクのバラが咲き誇り、とても美しい景色でした。
泉のそばのあずまやに、お兄さまとカメラを持った女性がいるのが見えました。
お兄さまはその女性を、小夜を撮影するカメラマンだと紹介しました。
小夜のことは、病気で療養中の妹だと紹介されました。
お兄さまは、よそむきの顔と態度をしていました。
病気がちな妹の、晴れやかな姿を残しておきたい。
外に連れ出すのは危険があるので、この庭で撮影してほしい。
そういったことを説明しながら、お兄さまは小夜に微笑みかけました。
「思った通りだ。小夜は白がとても似合うよ」
その言葉は、まなざしは、「大切な妹」に対する、優しい愛情に満ちていました。

