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第6章 あめにぬれて（承前）

驚いて身をよじる少女の体を
男はかまわず抱き寄せて

布の上からでもはっきり形がわかるほど
少女の乳房を握りしめ　揉みあげる

そしてドレスの胸元が引き下げられて
白いふたつのふくらみがあらわにされて……


必死に抗う少女のからだと
少女のからだを裸に剥こうとする男は

外に音が漏れない密室で
もんどりうち　床に倒れ

泣き叫ぶ少女のからだを　男のからだが覆いかぶさり

男のからだに足を割かれ　大きくひろげられて必死に暴れて


助けて　嫌　こんなの嫌
やめて　お願い
こんなひどいこと


妹なのに
私は妹なのに


兄とセックスするなんて……


少女のからだが痛みにのけぞり
男のからだがけだもののように前後する


泣きじゃくる少女を誰も助けない
助けられない


少女の傷つき血を流す心とからだを
兄は貪る　それが至上の悦びだから



ああ　これは
かつてこの部屋で起きたこと

呪われた血を引く小夜は
お兄さまとともに　この運命を繰り返す

小夜はわかった
わかってしまった

小夜が　お兄さまが　こうなる理由が


兄に犯され　泣きじゃくる少女の顔は
写真でただ一度だけ見た　小夜のお母さんだから……