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寵愛の小鳥
第13章 堕ちるフタリ
私が車から降りて、
家へ歩き出すとすぐにお兄ちゃんの車が動く気配が背後でした。
ドアの前で少しだけ深呼吸をして、
冷たいドアノブを持って、
ガチャリと『いつもの日常』へ帰る。
「ただいま~」
大好きなお母さんが、
パタパタと玄関まで来る足音に、
小さな罪悪感。
さすがにいつも通りとはいかないけれど、
少し困った眉で笑いかけると、
さっきまでの『非日常』が夢みたいにぼんやりしてくる。
あぁ、でも忘れられない。
夢になんてできない2日間。
とりかごのことりは、
大好きな人に囚われて。
でも、その人も…。
ほんとうに囚われているのは、誰?