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寵愛の小鳥
第5章 夕日の丘 by悠月
俺は、何をしてるんだ…。
ことりが他のやつに取られるかも、
なんて事を考えだしたら、
なんか色々止まらない。
彼女としてのことりは純情でいじらしくて、
可愛すぎて、
こんなことりをみてしまったら、
今までの関係に戻れなくなってしまう。
夕焼けに見惚れたことりが大人っぽくて、
本気でキスをしそうになった。
「くそ…なんで、兄妹、なんだ…」
自販機に項垂れながら本心が口から漏れる。
実の妹のことりが、いつか他の男と一緒になることは覚悟している。
覚悟…なんて、本当は出来ていないけれど、
いつか、訪れるとは思ってる。
「……はぁぁ……」
深いため息を吐き、頭を冷やすために自販機でことりのココアと、黒い炭酸を買って、
小鳥のところに戻ろうとした時。
「っな…!!っにしてんだよ!!」
俺は買ったばかりの飲み物を手から視界に投げ飛ばし、
怒りのまま走り出した。
疲れたのかベンチの上で眠ってしまったことりの身体に、
変な年寄りが触れていた。
投げた黒い炭酸は、その男の肩にぶつかり、
男はこちらを睨んでいた。
「ちっ…彼氏持ちか。
ほれ、彼氏さんもちゃんと見てみぃよ!
このお嬢ちゃん、眠ってるのに
色っぽい声出してんぜぇ!」
「ふざけんな!
てめぇに触らすために育ててるんじゃねぇんだよ!!」
「おぉ、怖い怖い。ま、しっかり堪能させてもらったからねぇ、とっとと消えるさ」
「ああ。早く消えねーと今度は手と足が出る」
「はいはい。色男が怒ると怖いねぇ…」
そう言い残して消えた男の背中をずっと睨み続ける。
山で生活してるのか、
泥だらけだった男が触ったせいで、
せっかく可愛かった薄黄色のワンピースは所々黒くなってしまった。
車の中にウエットティッシュがあったか…と思ったが、
今ことりから離れるのは気が引けた。
俺が車の中で待たせておけば、こんな事にならなかった。
俺が浮かれて離れなければ……!!
悔しさからそっとことりの頭を撫でると、
「…んっ…」
とことりの口から小さな吐息が漏れ出た。
少し切なそうに下がった眉と、
少しだけ寒さのせいで赤くなった頬。
その声に、
その表情に…俺の何かが壊れた。
ことりが他のやつに取られるかも、
なんて事を考えだしたら、
なんか色々止まらない。
彼女としてのことりは純情でいじらしくて、
可愛すぎて、
こんなことりをみてしまったら、
今までの関係に戻れなくなってしまう。
夕焼けに見惚れたことりが大人っぽくて、
本気でキスをしそうになった。
「くそ…なんで、兄妹、なんだ…」
自販機に項垂れながら本心が口から漏れる。
実の妹のことりが、いつか他の男と一緒になることは覚悟している。
覚悟…なんて、本当は出来ていないけれど、
いつか、訪れるとは思ってる。
「……はぁぁ……」
深いため息を吐き、頭を冷やすために自販機でことりのココアと、黒い炭酸を買って、
小鳥のところに戻ろうとした時。
「っな…!!っにしてんだよ!!」
俺は買ったばかりの飲み物を手から視界に投げ飛ばし、
怒りのまま走り出した。
疲れたのかベンチの上で眠ってしまったことりの身体に、
変な年寄りが触れていた。
投げた黒い炭酸は、その男の肩にぶつかり、
男はこちらを睨んでいた。
「ちっ…彼氏持ちか。
ほれ、彼氏さんもちゃんと見てみぃよ!
このお嬢ちゃん、眠ってるのに
色っぽい声出してんぜぇ!」
「ふざけんな!
てめぇに触らすために育ててるんじゃねぇんだよ!!」
「おぉ、怖い怖い。ま、しっかり堪能させてもらったからねぇ、とっとと消えるさ」
「ああ。早く消えねーと今度は手と足が出る」
「はいはい。色男が怒ると怖いねぇ…」
そう言い残して消えた男の背中をずっと睨み続ける。
山で生活してるのか、
泥だらけだった男が触ったせいで、
せっかく可愛かった薄黄色のワンピースは所々黒くなってしまった。
車の中にウエットティッシュがあったか…と思ったが、
今ことりから離れるのは気が引けた。
俺が車の中で待たせておけば、こんな事にならなかった。
俺が浮かれて離れなければ……!!
悔しさからそっとことりの頭を撫でると、
「…んっ…」
とことりの口から小さな吐息が漏れ出た。
少し切なそうに下がった眉と、
少しだけ寒さのせいで赤くなった頬。
その声に、
その表情に…俺の何かが壊れた。