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二人の彼に囚われて【目覚め】~偽りの花嫁は真実の恋を知る~
第9章 贈り物(プレゼント)

ー殿下、この祖父(じじ)は殿下がご生誕の砌より、我が宝とお思い申し上げて参りました。畏れながら、王とはいえ、殿下は私にとりては初めての孫。殿下が嬰児(やや)の時分は襁褓も我が手でお代えしたのです。ゆく末は必ずや聖君にならるるようにと粉骨砕身、老体に鞭打ってお導きしてきたつもりでしたが、どうやら、祖父のこの衷心は殿下に伝わってはいなかったようですな。殿下はまるで祖父が私欲のために年貢米軽減に反対していると思し召しているようですが、臣カン・ヨンジュン、誓って申し上げます。私は私欲にはあらず、ひとえに殿下のおんために申し上げているのでございます。

