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第5章 涙の初夜

「殿下から今朝は昭儀さまがお目覚めになるまで、起こしてはならぬと言いつかっております」




　ミナの両足には、まだ大妃に鞭打たれた傷跡がしっかり残っている。医官の手当が良かったのか、化膿もしなかったので、包帯は巻いていない。けれども、今朝はどういうわけか患部には薬がたっぷりと塗られ、白い清潔な布が丁寧に巻かれている。