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第1章 MOTHER（マザー）

２

時は８月１日の午後２時半頃であった。

エロい格好をした菜水（当時32歳）が９つの孝二を連れて多賀家に押しかけた。

ピンクのメンコンのブラレットの上に、ネイビーのデニムのベストをはおって、下は白のデニムパンツをはいて、つま先は派手な色のサンダルをはいて、ジャラジャラとしたアクセサリーをつけて、どぎついメイクをつけている。

家にやって来るなり、菜水はひっきりなしに呼び鈴を鳴らしまくり、握りこぶしでドアを叩きながら怒鳴りつけた。

（ピンポンピンポンピンポンピンポン…ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!）

｢ちょっとあんたたち!!開けなさいよ!!｣

ブチキレを起こした菜水は、足で玄関のドアをけるなどしてイカクした。

（ガチャッ…）

玄関のドアが開いた。

ドアの向こうに女性弁護士がいた。

女性弁護士は、菜水にどんな用があるのかを聞いた。

｢あの～、どちらさまでしょうか？｣
｢アタシはここの家のもんに用があるけん来たのよ!!｣
｢今は無理です!!お引き取りください!!｣
｢どいてよ!!｣

（ドカッ…）

菜水は、右足で女性弁護士をけつったあと強引に家に入った。

ところ変わって、家の居間にて…

家の居間には、竜太しえ夫婦と由水と由水の両親がいて話し合いをしている。

一磨が殺された…

琢磨と龍磨が凶悪事件を起こして逮捕された。

このままでは危険だから、由水を連れて帰りたいと由水の両親がしえ夫婦に申し出た。

しえ夫婦は、由水に家にいてほしいので、直也と再婚させると言うた。

双方の主張が平行線をたどる中へ菜水が乱入したので、話がこじれた。