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MOTHER(マザー)
第1章 MOTHER(マザー)
時は夕方4時40分頃であった。

ところ変わって、西中央にある中央郵便局にて…

直也は、郵便物を配達する地域ごとに仕分ける作業をしている。

この時、課長さんが直也にやさしく声をかけた。

「多賀くん、ちょっと仕事の手を止めてわしの話を聞いてくれるかなァ~」

課長さんの呼びかけに対して、直也は突き放す声で言うた。

「あとにしてください!!」

課長さんは、ものすごく困った表情で直也に言うた。

「あとにしてくださいって、それじゃあいつになったらワシの話を聞いてくれるのかなぁ~」
「あとにしてくださいと言うたらあとにしてください!!」
「ワシは、今お話しがしたいのだよぅ~」
「(イラッとした声で)あとにしてくださいと言うたらあとにしてください!!」

課長さんは、ものすごく不満げな声で言うた。

「多賀くん…それじゃあいつになったらわしの話を聞くのだね…ワシは、多賀くんがどんな人生を望んでいるのかが知りたいのだよぅ~」
「課長はぼくにどうしてほしいのですか!?」
「ワシは多賀くんに幸せになってほしいのだよぅ~」

課長さんがあつかましい声で言うたので、直也はひねた声で言い返した。

「幸せになってほしいと言うけど、課長が言う幸せとはなんでしょうか?」
「なんでしょうか?って…」
「結婚して家庭を持つことだと言いたいのでしょ…」

直也の問いに対して、課長さんは生ぬるい声で『そういう…ことになる…』と答えた。

直也は、課長さんにハンロンした。

「人の幸せは結婚しかないと言えるコンキョはございますか!?」
「コンキョはないよ…」

(チッ…)

チッと舌打ちした直也は、課長さんに冷めた声で言うた。

「課長、自分の顔を鏡に写してみてみたらどうでしょうか?…ぼくは幸せになりたいとは想っていません…そんなことよりも仕事に戻れよバカ上司!!」

直也は、課長さんを言葉でイカクしたあと口笛をふきながら仕事を続けた。

直也から言葉でイカクされた課長さんは、握りこぶしを作ってワナワナと震えている。
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