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MOTHER(マザー)
第1章 MOTHER(マザー)
「あなた。」
「なんぞぉ~」
「ごはん食べている途中でもうしわけないけど、もう一度会社に来てくださいって社長さんが言うてたわよ。」
「(ものすごくイヤな声で)なんでまた会社に行かなきゃならんのぞぉ~」
「(過度にやさしい声で)社長さんが荷物に揮発油(あぶら)かやしたしたけん、出荷できなくなったからもう一度刷り直してほしいといよったよ。」
「ふざけとんかあのクソジジイは!!」
「(つらそうな声で)どうしてそんなに怒るのよぅ~」
「(ますます怒り狂う)おらびたくもなるわ!!」
「(つらそうな声で)社長さんはわざと揮発油(あぶら)をかやしたんじゃないのよ…社長さんがすごく困っているのだから助けに行ってよ~」

(ドカッ)

ものすごく怒り狂っている浩文は、席をけとばして離れたあと、仕事に行く支度を始めた。

(グォーーーーーーーーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!ブーーーーーーーーーーン!!ブーーーーーーーーーーン!!)

浩文は、より強烈な爆音をあげながら車を走らせた。

由宇加は、両手で耳をふさいで首を横にふっている。
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