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愛妻ネトラレ 久美子
第5章 同窓会 誘惑の火遊び
『具合悪いなら、少し休んでいくか?』
心配そうな表情で、同級生の男が声をかける。

『しょんな事言って…ラブホに連れこむんじゃないれしょ~ね!』完全に酔っ払いの表情で久美子が絡む。
確かにここはススキノ、ラブホには事欠かない。

『違う、違う。今は俺、札幌に住んでないからさ。駅近のホテルに泊まりで来てるんだよ』男はそう言って、有名チェーンのホテル名を挙げる。
『ふ~ん…』まぁ、最悪タクシーで帰ればいいか…そんな考えも脳裏によぎり、次の瞬間『う…吐きそうッ』と久美子。
『ヤバいヤバい、すぐそこだから、行こう!』久美子は肩を抱かれ、同級生の男が泊まるホテルへと脚を向けた。

(あれ…ここは?)
久美子は気がつくとホテルのベッドの上に横になっていた。
服は、ボタンの上の方が2、3個外れてはいるが、身につけたままだ。
頭がズキズキするのは、不覚にも飲み過ぎてしまったからだろう。
痛い頭で、なんとか記憶を辿ってみる。

『う~ッ、あ、私吐いちゃったんだっけ』
トイレの便座に被さり吐いていた記憶が蘇ってくる。
誰かに背中をさすってもらい介抱されてた気もする。

『あ、気がついた?』バスローブ姿の男が、髪をバスタオルで拭きながら久美子の方へやってきた。
なんとなく覚えはあるが、高校時代特別仲が良かったわけではない男子…鈴木だったか、佐藤だったか、高橋か、兎に角よく聞く名前だった男である。
『大丈夫?吐いたあと、寝ちゃったんだよ、お前』バスローブの男は、ベッドの久美子の隣に腰掛ける。
『うん、大丈夫。ごめんね、迷惑かけて』
『いや、全然いいけどさ。○○(久美子の旧姓)とこうしてホテルにいられるんだし』
『残念~ッ、人妻ですぅ』と久美子。

『それに、そっちだって奥さんいるんでしょ?』
名前があやふやな為、そっち呼ばわりの久美子。
『バツイチだよ……何年か前に離婚したんだ』肩を落とし、項垂れる男。
『あ……なんか…ごめん』謝る久美子に、『慰めてくれる?』冗談とも、本気ともとれる表情で、久美子を見つめる元同級生。
『人妻だってば』苦笑いする久美子を、『人妻だから、だよ』男は優しく、だが力強くハグした。
男の煙草の香りが久美子の鼻腔を通り抜ける。

『昔憧れた女に未練を残さずに、一晩限りの夢って自分に言い聞かせられるだろ?』男は久美子を見つめる。
『人妻だってばぁ』と久美子。
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