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はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第48章 十*良い知らせと悪い知らせ
その思い出を吹っ切ろうとするように女遊びをしては、引きこもりを繰り返していると、またもや予告もなくアーベルが現れた。
「腐っているとは聞いてましたが、予想以上ですね。ご飯、しっかり食べてますか?」
「うるさい。あざ笑いに来たのか? 用がないのなら、帰れ」
「おやまあ、ひどい言いようだ。あなたと違って私は忙しいですからね。用がないのに来るわけがないじゃないですか。あなたに良い知らせと悪い知らせをお伝えに来たのです」
「……………………」
「先に良い知らせから。アルベルティーナですが、無事に男の子を出産したそうですよ。アルベルティーナによく似た、白金の髪に紫の瞳だったそうで、次期国王になるようですよ」
「……そうか」
「あなたが冗談で言っていたことが現実になるとはね」
「……冗談でも言わなきゃよかったよ」
ヴィクトルからは昏い声しか返ってこなかったが、反応があったことにアーベルはホッとした。
「そして、悪い知らせですが」
アーベルはそこで区切り、ヴィクトルの反応を待ったがなにも返ってこない。と思ったら、ヴィクトルが口を開いた。
「子どもの命と引き換えにアルベルティーナが死んだとかか?」
「いえ、無事ですよ」
「なら問題ない」
ヴィクトルはそう言うと、ベッドに横になった。
「子どものこと、伝えてくれてありがとう。子どもにはなにもしてやることが出来ないな。……せめて名前だけでも付けたかったな」
ヴィクトルは子どもが産まれたと聞いて、ようやく実感したのか、そんな言葉が出てきた。
アーベルは今回の顛末について、聞いてはいない。だが、面会くらいはできるのではないかと思ったが、よくよく考えてみれば、相手は王族だ。
魔族の魔王とは重みも位置づけも違う。いくら父親といえども、簡単には会えないだろう。
しかも。
「ヴィクトルがどう思うかはともかく、私が後悔しそうなので伝えますね」
アーベルはそう言って、口を開いた。
「きっとこれは、あなたにとって、悪い知らせでしょう」
「なんだよ」
「アルベルティーナの結婚が決まりました」
「腐っているとは聞いてましたが、予想以上ですね。ご飯、しっかり食べてますか?」
「うるさい。あざ笑いに来たのか? 用がないのなら、帰れ」
「おやまあ、ひどい言いようだ。あなたと違って私は忙しいですからね。用がないのに来るわけがないじゃないですか。あなたに良い知らせと悪い知らせをお伝えに来たのです」
「……………………」
「先に良い知らせから。アルベルティーナですが、無事に男の子を出産したそうですよ。アルベルティーナによく似た、白金の髪に紫の瞳だったそうで、次期国王になるようですよ」
「……そうか」
「あなたが冗談で言っていたことが現実になるとはね」
「……冗談でも言わなきゃよかったよ」
ヴィクトルからは昏い声しか返ってこなかったが、反応があったことにアーベルはホッとした。
「そして、悪い知らせですが」
アーベルはそこで区切り、ヴィクトルの反応を待ったがなにも返ってこない。と思ったら、ヴィクトルが口を開いた。
「子どもの命と引き換えにアルベルティーナが死んだとかか?」
「いえ、無事ですよ」
「なら問題ない」
ヴィクトルはそう言うと、ベッドに横になった。
「子どものこと、伝えてくれてありがとう。子どもにはなにもしてやることが出来ないな。……せめて名前だけでも付けたかったな」
ヴィクトルは子どもが産まれたと聞いて、ようやく実感したのか、そんな言葉が出てきた。
アーベルは今回の顛末について、聞いてはいない。だが、面会くらいはできるのではないかと思ったが、よくよく考えてみれば、相手は王族だ。
魔族の魔王とは重みも位置づけも違う。いくら父親といえども、簡単には会えないだろう。
しかも。
「ヴィクトルがどう思うかはともかく、私が後悔しそうなので伝えますね」
アーベルはそう言って、口を開いた。
「きっとこれは、あなたにとって、悪い知らせでしょう」
「なんだよ」
「アルベルティーナの結婚が決まりました」