この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
はらぺこ魔王さまのお食事係!【完結】
第48章 十*良い知らせと悪い知らせ
 その思い出を吹っ切ろうとするように女遊びをしては、引きこもりを繰り返していると、またもや予告もなくアーベルが現れた。

「腐っているとは聞いてましたが、予想以上ですね。ご飯、しっかり食べてますか?」
「うるさい。あざ笑いに来たのか? 用がないのなら、帰れ」
「おやまあ、ひどい言いようだ。あなたと違って私は忙しいですからね。用がないのに来るわけがないじゃないですか。あなたに良い知らせと悪い知らせをお伝えに来たのです」
「……………………」
「先に良い知らせから。アルベルティーナですが、無事に男の子を出産したそうですよ。アルベルティーナによく似た、白金の髪に紫の瞳だったそうで、次期国王になるようですよ」
「……そうか」
「あなたが冗談で言っていたことが現実になるとはね」
「……冗談でも言わなきゃよかったよ」

 ヴィクトルからは昏い声しか返ってこなかったが、反応があったことにアーベルはホッとした。

「そして、悪い知らせですが」

 アーベルはそこで区切り、ヴィクトルの反応を待ったがなにも返ってこない。と思ったら、ヴィクトルが口を開いた。

「子どもの命と引き換えにアルベルティーナが死んだとかか?」
「いえ、無事ですよ」
「なら問題ない」

 ヴィクトルはそう言うと、ベッドに横になった。

「子どものこと、伝えてくれてありがとう。子どもにはなにもしてやることが出来ないな。……せめて名前だけでも付けたかったな」

 ヴィクトルは子どもが産まれたと聞いて、ようやく実感したのか、そんな言葉が出てきた。

 アーベルは今回の顛末について、聞いてはいない。だが、面会くらいはできるのではないかと思ったが、よくよく考えてみれば、相手は王族だ。
 魔族の魔王とは重みも位置づけも違う。いくら父親といえども、簡単には会えないだろう。
 しかも。

「ヴィクトルがどう思うかはともかく、私が後悔しそうなので伝えますね」

 アーベルはそう言って、口を開いた。

「きっとこれは、あなたにとって、悪い知らせでしょう」
「なんだよ」
「アルベルティーナの結婚が決まりました」
/251ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ