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瀬音とボクとよしみくん
第15章 おわり
ある日の放課後。
ゆかりちゃんと偶然会った。
ゆかりちゃんが、ボクの噂を広めたのか聞きたかった。
が、それは聞くまでもなかった。
会った瞬間、ゆかりちゃんはすごい形相で近づいてきて、いきなりビンタをされた。
びっくりして何もできないでいるボクの胸ぐらを掴み、壁まで押しつけられる。
「……ちょっ、ゆかり、ちゃん?」
周りには誰もいない。
とはいえ、ゆかりちゃんが学校でこんな行動をするなんて。
「あんた、なにしてるの!」
「え、なにって……」
噂のこと?
病室でのこと?
ゆかりちゃんの言葉の真意がわからなかった。
「なんで、ちゃんと、瀬音をつなぎとめてないのっ!」
「え?」
「……なんで、別れたのよっ!」
あ、そのこと……
「別れたもなにも、付き合ってもないよ」
「あんたのせいで……」
それは、ほとんど八つ当たりだった。
瀬音くんはマリアちゃんと付き合ってるんだ。
ということは、ゆかりちゃんとは……
ゆかりちゃんの目からは一粒の涙がこぼれた。
「マリアちゃんと、別れたの?」
「まぁ、こっちも、付き合ってると思ってたのは、私だけだけどね」