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瀬音とボクとよしみくん
第24章 有貴くん⑤ 再会
いや、一ノ瀬だって、あんなに一生懸命やってくれているんだから。
腹をくくろう。


一ノ瀬が準備する間、俺が舞台上で演技する。


演技中、このあとのことを考える。


あぁ、胃が……


変なドキドキだな。


これから、一ノ瀬とキスするってのに。


あんなにしたかったキス。


だけど、そもそも、してくれないだろうな。


なんとか、お笑いの方にもっていくしかない。


あえて、無理矢理キスを迫ってみるか。


ブサイクな化粧のままの一ノ瀬に
「こんな美女はみたことない」
と、必要以上にびっくりしてみる。


そして
無理矢理キスを迫れば、きっと一ノ瀬は拒否をするだろう。


そして、逃げる王女を追いかけまわし、ビンタをされる王子。


台本とはかなり違うが、それで、オチにできるか……


俺は舞台上にある城のセット裏へと入り、身を隠す。


他のみんなも舞台そでにはけて暗転。


もうすぐ、一ノ瀬の再登場だ。


一瞬、会場が静まった。


どうやら、一ノ瀬が再登場したみたいだな。


そして


案の定、大ブーイング。
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