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瀬音とボクとよしみくん
第32章 麻里亜の仮面
「こんな、かわいい娘を忘れるなんて」


「え……」


今、なんて……


瀬音くんが、ボクのことをかわいいって?


涙はよけいに止まらない。


そんな涙を瀬音くんが、笑いながら、優しく拭き取ってくれる。


「純……って、いい名前だな。子供ができたら、純って名付けよう」


「え、なんで……」


とうとつに瀬音くんが変なことを言うから、涙が一瞬止まる。


そんなボクのアゴを掴み、瀬音くんの顔が近づいてくる。


そしてキス。


え……


本当に瀬音くんとキスできるなんて。


ボクのファーストキス。


もう、死んでもいい。


「……嬉しい」


「……純、また会えるかな」


「うん、会えるよ、会いたい……瀬音くん」


「……麻里亜」


そして。もう一度キス。






一生忘れない。






……そして、それが最後のキスになった。


さよなら、ユウキ……
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