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瀬音とボクとよしみくん
第34章 おまけ③ リクエスト
……純?
なんで、俺はそんな名前を……
ジュティス王子だ。
なんで、そんな大事な人の名前を俺は忘れていたんだ。
ジュティス王子は我が王国の第二王子。
王子は友好のため、帝国の第四皇女のマリアとの婚約が決まっていた。
今はまさに婚姻調印式を行うところ。
そのため、帝国の王都まで専用列車で王子は長い旅をしてきたんだ。
俺たち親衛隊はその護衛に付き添うのだが、下っ端の俺たちは、車で帝国の駅にきていた。
そして、列車から王子が降りたたところで、事件が起きた。
俺は王子を狙っている男に気づいた。
結婚に反対している一部組織がいることは知っていたが……
しかし、まさか本当に、こんな場所、俺の目の前で王子が狙われるなんて。
本当に気づいたのは、たまたまだ。
駅の中を我慢できずにキョロキョロと眺めていたから。
男が遠くから王子を狙撃しようとしていた。
果たして、王子は無事だったのだろうか。
それだけが心配だ。
俺は死んだっていい。
王子の身代わりになれただけでも本望だ。