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瀬音とボクとよしみくん
第34章 おまけ③ リクエスト
「ゆうきも……あ、いえ、ユノも、ミコールも来ています。皆が、殿下の結婚を祝ってますよ」


「フッ、政略結婚そのものだがな……」


確かに、それはあきらかだった。


我が王国は帝国の属国。
和平のためと言いながら、実質それは人質と同じだった。


「もう、こうやって、自由にお前たちと会うこもできないだろう」


王子の目はうっすらと涙ぐんでいた。


「覚えているか? 寄宿舎を抜け出して、四人で遊園地に言ったことを」


「あぁ、行った行った……あ、すみません。行きましたね」


「いい。今だけは前みたいに接して欲しい。周りは皆、イエスマンばかりだからな」


「そうなんですか。いや、そうなんだ……」


「あーあ、王子でなかったらな……」


「なかったら?」


「お前と、いつまでも一緒にいられたのにな」


王子が涙目で、俺を見つめてくる。


いつもの凛々しい目つきではなく、あの、優しく、かわいかった王子、いや、ジュティスの目だった。


「婚姻式……やめることはできないのでしょうか……」


「……え?」
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