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瀬音とボクとよしみくん
第39章 よしみくん
「れっどクライシス? よしみ?」
「ちがうYOSHIMIっ、redcrisisのYOSHIMIっ」
「どっちでもいっしょだろ」
「ちがうよ、イントネーションがまったくちがうよ」
ボクは、YOSHIMIの出ている雑誌を広げながら、大学の学食で、瀬音くん相手に、その日の感動を熱弁した。
redcrisisのYOSHIMIは、ボクが釘付けになったバンドのボーカルだ。
だからすぐに瀬音くんに伝えたかった。
「で? それが、どうしたって?」
「だから、一回聞いてみてよ、すごく良いから」
「めんどくせぇ」
瀬音くんは、本当にダルそう。
ボクはYOSHIMIのすごさを瀬音くんになんとか伝わるように説明する。
でも瀬音くんはだんだん不機嫌になっていた。
「あぁ、もういいって」
「えっ?」
瀬音くんはご飯を半分以上も残して席を立っていってしまった。
なんでだろう?
ボクはYOSHIMIの載っているページに目をおとす。
写真でみるとYOSHIMIの髪は銀髪に見える。
この銀髪、別のどこかでも見たような……
入れ替わりに、大学の友達がやってきた。
一緒にライブに行った子だ。
「ねぇ、聞いて、今度うちの学祭でredcrisisのワンマンライブやるんだって」
「本当にっ? 絶っ対行く」