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瀬音とボクとよしみくん
第39章 よしみくん
ううん。
それよりも瀬音くんの態度がなんだか嫌になった。
「なんで? そうなるの?」
「そうなるって?」
「もっと一緒に探してくれると思ったのに」
「探したろ?」
「ううん、ぜんぜんだよ。もっと喜んで一緒に探してくれると思ったのに」
「しょうがないだろ、いないんだから」
「もしかして、嫉妬なの?」
「あぁん?」
あぁ、それは言ってはいけない言葉だった。
「なんだって?」
瀬音くんの言葉が冷たい響きをおびてボクに刺さる。
ここで、止めないとダメだ。
でも
ボクは止められない。
「瀬音くん、さっき、学生課の人に何か耳打ちしてたよね。なんて言ってたの?」
「なにって、別に、お願いしてたんじゃないか」
「いないって言ってくれ、って耳打ちしたんじゃないの?」
「なんで俺がそんなことを、言わなきゃいけないんだ?」
「もし、良実くんと再会したら、ボクが良実くんと仲良くなるとでも思ったんじゃないの?」
「はっ?」
「そうなんでしょ?」
あぁ、ダメだよ、これ以上言ったら。
ボクは、良実くんが見つからない苛立ちを
瀬音くんにぶつける。
瀬音くんは何も言わない。
何も言わず、背を向き、そのまま帰ってしまう。
「あ……」
待って。
すぐに追いかけて、抱きついて、謝りたい。
でも、できなかった。
それよりも瀬音くんの態度がなんだか嫌になった。
「なんで? そうなるの?」
「そうなるって?」
「もっと一緒に探してくれると思ったのに」
「探したろ?」
「ううん、ぜんぜんだよ。もっと喜んで一緒に探してくれると思ったのに」
「しょうがないだろ、いないんだから」
「もしかして、嫉妬なの?」
「あぁん?」
あぁ、それは言ってはいけない言葉だった。
「なんだって?」
瀬音くんの言葉が冷たい響きをおびてボクに刺さる。
ここで、止めないとダメだ。
でも
ボクは止められない。
「瀬音くん、さっき、学生課の人に何か耳打ちしてたよね。なんて言ってたの?」
「なにって、別に、お願いしてたんじゃないか」
「いないって言ってくれ、って耳打ちしたんじゃないの?」
「なんで俺がそんなことを、言わなきゃいけないんだ?」
「もし、良実くんと再会したら、ボクが良実くんと仲良くなるとでも思ったんじゃないの?」
「はっ?」
「そうなんでしょ?」
あぁ、ダメだよ、これ以上言ったら。
ボクは、良実くんが見つからない苛立ちを
瀬音くんにぶつける。
瀬音くんは何も言わない。
何も言わず、背を向き、そのまま帰ってしまう。
「あ……」
待って。
すぐに追いかけて、抱きついて、謝りたい。
でも、できなかった。