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イケメンエリートの欠点
第2章 交差する妬みと思い出
ここ一年、どこで誰と会っても、十中八九この話題を振られる。

そして皆-大抵は女性にだが、決して大袈裟などではない妬みのそれを向けられるのだ。

最初の頃はそのひとの気に障らぬよう、決して自慢にならぬよう、注意深く対応もしていたのが。

「人間顔じゃないし、仕事に貴賤もないし、お金がいくらあっても不幸なひとは不幸だよ。隣りの芝生は青く見えるものよ。第一私達、あんたが思ってるほど贅沢な生活なんてしてないし。こう見えて悩みだって、人並みにちゃんとあるんだからね」

素っ気なく呟き。

玲那はスプーンを片手に、澄んだコンソメスープを喉に流し込んだ。
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