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イケメンエリートの欠点
第4章 幸せに揺れる日々
先週もコートを購入したばかりだし『今日はウィンドーショッピングのみ』と家を出る前に、固く約束したはずだった。

『分かった』と、確かに言ってくれたはずなのに。

玲那が重い息を吐き出している間《ま》に会計は済まされ、今しがたまで履いていた靴が入った紙袋を賢哉は下げていた。

「お待たせ、玲那」

上機嫌の夫が、再び自分の手を取った。

指が絡み合うように繋がれ、歩みが再開される。

新しい靴を履いた自分を褒める声も、どこか遠くに聞こえる。

そんな玲那の浮かない様子に、賢哉は程なく気が付いた。
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