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イケメンエリートの欠点
第2章 交差する妬みと思い出
『ごめん』
『え?』
『帰りの新幹線の時間がもうすぐなんだ』
玲那は呆然と、彼を見つめた。
申し訳なさそうなその顔に、楽しかった気持ちが一気に萎む。
『俺は明日が最終日だけどね』-昨日の彼の台詞が、今更のように甦る。
『誘ったのは俺だし、良ければここのお金払わせて?』
賢哉の申し出に、玲那は無言という手段で断った。
そんな彼女の異変に気付いたのかどうか-彼もそれ以上、自分の意見をしつこく主張してはこなかった。