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第5章 かけ離れた幸福

「賢哉の名誉の為に言うなら、賢哉は強要するような事はしない。私が勝手に、必死になってるだけです。能力の差なんて初めから分かった上で、結婚したはずなのに」

玲那は自嘲する。

「そんな私でも、賢哉は少しも変わらず好きでいてくれる。嬉しい反面、でもなんだか申し訳なさも感じたりして。…だから賢哉の気持ちを『重たい』って、贅沢にも感じてしまうんだろうなって」

吐き出し。

玲那は再度、吐息を漏らした。