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イケメンエリートの欠点
第3章 水の中での戯れ
「おいで、玲那」

ひとりお湯に浸かっていた浴槽の中から手を伸ばし、賢哉は玲那を誘《いざな》った。

否と言う選択肢は存在せず。

彼女は大人しくそれに従う。

賢哉の視線を裸体の隅から隅まで受けながら、玲那はゆっくりと浴槽へ右足を沈める。

賢哉の手に助けられ、やがて彼女の全身が湯船に入った。

じんわりとしたお湯の温かさが、身体中を巡ってゆく。

その心地良さに全身の力が緩み、気の抜けた吐息が口から漏れる。

「…入浴剤、入れたいな」

呟けば、後ろから自分を抱く両腕に力が籠った。

しかし、自分を両手で包み込む彼は、無言のままだ。

玲那は特に返事を待つ事もなく、先を続ける。
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