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イケメンエリートの欠点
第7章 波乱の予感
「ない!ないし!」

玲那は両手をぶんぶんと動かす。

「本当に、ただ偶然張り紙を見付けただけ。それで『こういう仕事もありかな』って思っただけ。純一《じゅんいち》にはなにも…!」

一気に捲し立てて、玲那は我に返る。

しまったと口を両手で覆えば、向かい合う夫が腹を抱える。

「玲那、びくびくし過ぎ」

だが、居たたまれない面持ちでいる玲那に気付き、やがて笑いを収める。

「名前呼んだくらいで怒らないよ。俺は玲那の何にも怒らない」

優しい眼差しで妻を見詰め、なおも不安がっている心を解すように、賢哉は続ける。

「怒るどころか、俺嬉しかったんだよね」

「うれしい…?」

意外な事を告げる賢哉を、玲那は不思議がる。
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