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乳房星(再リフォーム版)
第25章 嫁に来ないか
時は7月5日の午前11時頃であった。

場所は、道後白鷺坂(しらさぎざか)にある椿館(ホテル)にて…

前夜、メンバーたちはここで宿泊した。

この日は予定なしでおやすみだが、早めに休みを切り上げて移動することにした。

全メンバーたちは、玄関の前に停まっている特大バスに乗り込む。

付き人軍団の男たち50人と子守女さんたち30人がバスのトランクにスーツケースを積み込む。

午前11時半頃に、特大バスは椿館の前を出発した。

行き先は、松山空港である。

またところ変わって、いよてつ路面電車の道後温泉駅の付近にて…

その付近にあるからくり時計の下で、婚礼写真のロケが行われている。

純白のウェディングドレス姿の花嫁さんと黒の紋付きはかまの新郎さんは、満面の笑みでフォトロケを楽しんでいる。

新婦新郎は、私が小さい時に波止浜の母子保護施設で暮らしていたゆりこ(21歳・女子大生)とけんちゃん(20歳・バイト)である。

話は、休憩中の時であった。

ゆりこは、ディレクターチェアーに座ってひと休みしていた。

けんちゃんは、ポケベルが鳴ったので近くにある観光案内所へ電話しに行った。

ちょうどその時であった。

イワマツグループのメンバーたちが乗っている特大バスが一時停止するために停車した。

純白のウェディングドレス姿のゆりこは、頭がサクラン状態におちいった。

「よーくん…よーくん!!」

ゆりこは、道後温泉駅に向かって走り出した。

ゆりこ…

なんでゆりこがここにおるねん…

なんで純白のウェディングドレスを着とんねん…

私は、わけが分からなくなった。

「乗せて!!乗せて!!」

頭がサクラン状態におちいったゆりこは、本町6丁目行きの路面電車に乗り込んだ。

路面電車は、定刻通りに駅から出発した。
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