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乳房星(再リフォーム版)
第33章 願いごとの持ち腐れ
「あのぉ~ちょっと言いにくい話なのだけどぉ~」
「どうかなさいましたか?」

さよこの母親は、政子に言いにくい声で言うた。

「実はねぇ~…主人が(さよこの末弟)の学資保険を勝手に解約したけん、家が困っとんのよぉ~」

それを聞いた政子は、コンワク気味の声でさよこの母親に言うた。

「まあ、どうしてそなな大事な学資保険を解約したのかしら…(さよこの末弟)さんは、来年高校受験を控えているのにどないするのよ…それで、取り崩した分は何につこたんよ?」
「何にって…主人の知人を助けるおカネにつこたんよ…主人は困っている人を見かけたらところかまわずにカネをばらまく性格だから…うちは困っとんよ。」

母親のとなりに座っている父親はヘラヘラした表情を浮かべている。

母親は、父親に『あんたええかげんにしいや!!』と言う表情でにらみつけたあと、政子にカネの無心をした。

政子は、コンワクしながらもさよこの母親におカネをユウヅウすることを伝えた。

さよこの母親は、政子にお礼を言うた。

「おおきに…助かったわ。」
「いいのよいいのよ…困っている時は助け合わないと…ねえあなた。」

政子の横にいる六郎は、にがわらいの表情で『ああ、そうだよな~』と言うた。

このあと、さよこの両親はテーブルの上に置かれている料理を食べさせてもらった。

さよこの両親がパクパクパクパクと料理を食べているのを見た3組の兄夫婦の家族とあつろうと和子は、シラけた表情でさよこの両親を見つめていた。
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