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乳房星(再リフォーム版)
第35章 私たちの望むものは
(カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

はちろうがケーサツに逮捕されてから8時間後の夜9時頃であった。

場所は、松山市小坂の住宅地にて…

ゆりこは、この地区にあるセキスイハイムのアパートで暮らしている。

住宅地の付近を走るいよてつ横河原線の電車がゆっくりとした速度でいよ立花駅へ向かう。

この時、バイト帰りのけんちゃんが付近を歩いていた。

そこでけんちゃんは、ガスくさいにおいを感知した。

このガスくさいにおいは…

ゆりこちゃんが暮らしているアパートからではないのか…

より強い不安に襲われたけんちゃんは、大急ぎでアパートへ向かう。

ところ変わって、ゆりこが暮らしているセキスイハイムのアパートにて…

ゆりこが暮らしている1階の部屋に着いたけんちゃんは、コブシでドアをたたきながら中にいるゆりこに呼びかけた。

(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)

「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃん!!」

けんちゃんが大声で呼びかけたが、反応がまったくない。

けんちゃんは、ドアノブに手をかけて回してみた。

(ガチャ…)

うそ…

カギがあいてる…

そして次の瞬間…

「うう…クセー…」

ドアが開いたのと同時に、部屋中にジュウマンしているガスのにおいが放出された。

けんちゃんは、ハンカチで口を押さえながら部屋に突入した。

ゆりこが四畳半の居間で倒れていた。

「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃん!!」

けんちゃんは、ガス中毒を起こして倒れたゆりこを大急ぎで外に運び出したあと、キンリンの住民に助けを求めた。

ゆりこは、救急車で松山市美沢の記念病院に搬送された。
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