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乳房星(再リフォーム版)
第2章 見上げてごらん夜の星を
ところ変わって、源五郎が宿泊している部屋にて…

10畳ひと間の部屋には、溝端屋の大番頭はんの君波誠一郎と五十崎の公証役場の事務長はんの守口是清と会社経営者の宮出勝利と施設長さんが30人の付き人軍団の男たちと一緒に源五郎たちが部屋に入ってくるのを待っていた。

(ガラッ…)

しばらくして、入り口のふすまが開いた…

ふすまが開いたあと、番頭はんの案内で源五郎と田嶋と小林と山岡が部屋に入る。

付き人の男ひとりが、開いたままになっているふすまをしめる。

「あっ、だんなさま。」
「君波、守口、宮出、待たせてすまなんだのう。」

源五郎たちは、ざぶとんの上にどっかりと腰を下ろしたあと、あぐらをかいた。

部屋にいる付き人軍団の男たちは、窓のカーテンをしめて、まくら元に使うスタンドの灯りをつけた。

その後、天井に吊り下げている蛍光灯を消したあと、部屋の周りを取り囲んだ。

その直後に密談が始まった…

「ほな、話し合いを始めまひょか?」
「へえっ…」

源五郎は、宮出さんの横に座っている施設長さんに声をかけた。

「その前に…眞規子はん。」
「だんなさま。」
「きょうこちゃんの様子はどないや?」
「はい…女性スタッフさん5人と一緒にとなりの部屋で休んでいます。」
「あっ、さよか…きょうこちゃんは、今何ヶ月目かな?」
「8ヶ月目です…予定日は11月の終わり頃です…」
「11月の終わり頃か…よし分かった…ほんなら早いうちにてぇ打っといた方がええみたいや…」

源五郎は、ひと間隔を置いて事務長はんに例のアレはどうなっているのかを聞いた。
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