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乳房星(再リフォーム版)
第46章 虹とスニーカーの頃
「(やさしい声で)兼次さん…私たちは、兼次さんが海事部異動を取り消されたからザマアミロとは言うてないわよ。」
「そのように言えるコンキョがどこにあるんぞ!!」
「だから、あたしたち家族は兼次さんがここへ移ることが決まったから『お帰りなさい』というているのよ。」
「ふざけんなよ!!オレは自分を変えるために海事部へ行きたかったんや!!」
「日本でも自分を変えることはできるわよ…外国へ行ってテロ事件に巻き込まれたり、平和なはずの場所が一転して戦場になったり、政変で国から出られなくなったらどうするのよ…ここにいた方が100パーセント安全なのよ…この地区の人たちはみんなやさしいのよ…やさしくしてくださる人たちはたくさんいるよね…」

さよこの問いかけに対して、家族は『やさしい人たちはたくさんいる…』とおだやかに答えた。

さよこは、過度にやさしい声で兼次に言うた。

「ほら、みんなやさしい人たちがたくさんいるよというてるわよ…ここにいた方がみんな守ってくださるのよ…そうしましょ…」

さよこは、兼次を傷つけないようにうまく説得してことをまるくおさめた。

このあと、さよこはみんなが食べるごはんとみそ汁をついでいたけど、そこでもめ事がまた起こった。

さよこは、和子にみそ汁をつごうとしたが途中で止めた。

それに腹を立てた和子は、鍋を持って台所へ向かおうとしたさよこを両手で突き飛ばした。

(ドカッ!!)

そのはずみで、みそ汁が入っていた鍋が落ちて床にかやった(ひっくり返った)。

和子は、右足でさよこをけつった。

「出て行きなさいよ!!出て行きなさいよ!!」

逸郎は、泣きそうな声で和子に言うた。

「和子!!やめてくれ!!さよこにどんな落ち度があるのだよぉ~」
「ふざけるな!!」

(ガーン!!)

和子は、逸郎の頭をもので殴りつけた。

「頭が痛い…頭が痛い…」

和子に殴られた逸郎は、その場に座り込んで苦しんでいた。

頭がサクラン状態におちいった和子は、家の外に飛び出したあとキンリンで暴れ回った。

さよこは、みそ汁が少しぬるくなっていたから温めなおすために台所へ向かおうとしていた。

和子は、そのことが気に入らないから逸郎に暴行を加えた。

政子は、和子がこわいのでおたついていた。

そのような状況で、なにが日本は100パーセント安全でしょうか?
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