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乳房星(再リフォーム版)
第47章 サボテンの花
兼次は、1月24日から尾鷲市内にある取引先の会社に出向することになった。

今回の出向は、女性事務員さんが長期育児休暇を取得したので、ワープロが使える人がいない…

課長さんを始めとした事務の従業員さんたちがワープロが使えない(従業員たちはナマケモノばかりである)…

そのために、ワープロ検定1級の資格を持っている兼次に助けてほしいと言うことである。

兼次は、六郎が海事部異動を取り消したことに腹を立てている。

4・5世帯の大家族と兼次の関係は極力悪化していたが、独身男性のひとり暮らしがむずかしいので仕方なく滞在している状態であった。

こななだらけた状態では、いつぞや家が壊れると思う。

時は、1月28日の夕方6時頃であった。

たつろうさんの実家の大広間に4・5世帯の大家族が集まっていた。

テーブルの上には、3人の兄嫁が作った料理が並んでいる。

しかし、兼次が食べる分がない…

原因は、さよこの味見である。

さよこは、味見をするために兼次が食べる分をひとくちつまんだが、全部食べてしまったので食べる分がなくなった。

それを聞いた政子は、激怒した。

(バシッ!!バシッ!!)

政子は、優香と由芽の顔を平手打ちで叩いた。

そして…

「さよこさんのつまみ食いは優香さんと由芽さんが全部悪いのよ!」

政子は、優香と由芽を強烈な声で怒鳴りつけた。

政子は、さよこに対してより強烈な平手打ちで顔を叩いたあと亡くなったさよこの両親をボロクソになじりまくった。

「もういいわよ…おとなりにもらいに行くから…こんなことになるのであれば、親同士のお見合いなんかするのじゃなかったわ…」

政子は、親同士のお見合いイベントに参加するのじゃなかったと言うて『こんなことになるのであれば、ちいちゃい時からの幼なじみの子たちの方がよかったみたい…』と吐きすてながら大広間から出た。

その時であった。

(チリリリン、チリリリン、チリリリン…)

大広間のダイヤル式の黒電話の着信のベルが鳴っていた。

政子が電話に出た。

電話は、会社の(ナマクラ)課長さんからであった。

政子は、過度にやさしい声で話した。
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