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乳房星(再リフォーム版)
第52章 泣き上手
「お腹すいたよぅ~」
「ねえ、いつになったらごはん食べられるの?」
「(過度にやさしい声で)ああ、今おかーちゃんが電話しよるけん、もうちょっと待っていてね。」

みつろうはつらそうな表情で『はよせえや。』と優香の背中に向けてつぶやいた。

(ジー、ジー、ジー、ジー…プルルルルルルルルルルルルルルルルル…ガチャ…)

「もしもし、あのすみません…そちらに逸郎さん…すみません…すみません…」

(ガチャン)

優香は、間違い電話をやらかしてもうた。

「ああ…またやらかしたわ…どないしょー…」

(ガチャ…ジー、ジー、ジー、ジー、ジー…ガチャン!!)

「キーッ!!」

優香のイライラが頂点に達した時であった。

(ジリリリリン!!)

けたたましいベルの音が鳴り響いたので、優香は受話器をあげた。

「多賀でございます…もしもし逸郎さん!!どこにいるのよ!?みんな逸郎さんのことを心配して…ああ、すみません~」

電話は、お弁当工場に勤務している近所の奥さまからであった。

優香は、ものすごく赤い顔で『すみませんでした…』と言うた。

このあと、優香は奥さまから兼次がお弁当をたべていないことを聞いた。

「もしもし…兼次さんがお弁当を食べていないと言うのはどう言うことでしょうか?…アタシにはよくわかりませんけど…そんなはずはありませんわ!!…兼次さんは、お弁当おいしいおいしいと言うて食べていたわよ!!」

その時であった。

ボストンバッグ1つを持って、だまって家を出ようとしていた兼次を優香が見た。

優香は、兼次を止めるために受話器を放りすてて外へ出た。

「兼次さん!!兼次さん待ってよぅ!!どこへ行くのよぉ!!お弁当工場の人が心配して電話をかけてきたのよ!!ねえ兼次さん!!」

その間、電話は受話器があがったままの状態になっていた。

受話器の向こう側から奥さまの叫び声がひっきりなしに聞こえている。

兼次は、優香の呼び声をかき消してそのまま家出したあとたつろうさんの実家に2度と帰らなくなった。

同時に、職場に対して徹底抗戦を構えた。
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