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乳房星(再リフォーム版)
第59章 哀愁でいと
「義母さま。」
「由芽さん。」
「5時頃にさよこさんから電話がありました。」
「さよこさんから電話があったって?」
「ええ…」
「さよこさんはどこにいたのよ!?」
「串木野(鹿児島県)にいました。」
「串木野…さよこさんはどうして串木野にいたのよ!?」
「分からへん…せやけど、ぐすんぐすんと泣きよったよ。」
「泣きよったって…」
「おにいの身代わりになるために鹿児島へ行くと言うてたわ。」
「おにいの身代わりって、どういうことよ!?」
「(怒った声で)やくざの上納金(カネ)盗んで逃げたけん、さよこさんがおにいの身代わりになると言うことよ!!」

政子は、ものすごくつらそうな声で由芽に言うた。

「まあ、困ったわねぇ~なんでそななおとろしいことするのかしら~」
「さよこさんは、やくざの上納金(カネ)にてぇつけたおにいを助けるために、捨て身の覚悟で鹿児島へ向かうのよ!!」
「それだったらなんでケーサツに行かんのかしら…ああ、心配だわ…」

由芽は、つらそうな声で政子に言うた。

「うちらかてさよこさんに戻ってほしいけど、さよこさんは一度決めたら後戻りでけん性格なのよ!!せやけん、もうアカンと思う。」

由芽の言葉を聞いた政子は、ひどくおたついた。

和子は、シラけた表情を浮かべながらごはんを食べている。

ところ変わって、徳島自動車道の吉野川サービスエリアハイウェイオアシスにて…

ハイウェイオアシスの駐車場に、徳島県警のパトカー10台とJAFのレッカー車2台が停まっている。

駐車場に長時間停車している6台の自動車をどうにかしてくれと言う通報があった。

レッカー車で車を撤去させている時、大きめのリムジンが到着した。

30人の警察官たちがリムジンになだれ込んだ。

警察官たちは大きめの木づちでリムジンのドアをぶち壊したあと、中に乗ってた男たちを次々と引っぱりだして押さえ付けた。

こともあろうに、引っぱりだされた男たちはてつろうが在籍していた大学の総長と幹部たち数人とてつろうの恩師の教授だった。

総長たちは、メーワク駐車に加えて暴対法にテイショクする容疑など30の罪で逮捕された。

今回の一件で、てつろうが大学の研究所へ行くなどの話しはすべてパーになった。
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