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乳房星(再リフォーム版)
第79章 恋一夜
次の日の正午過ぎのことであった。

たつろうさんの実家の大広間で印刷工場の従業員さんたち8人がボソボソとお弁当を食べていた。

すぐ向かいにある台所で、印刷工場の機械工の主任の男性(33歳)と地区の花屋さんで働く女性(22歳)が料理を作っている。

ふたりは、近所の夫婦の仲人でお見合いをしている。

ボソボソとお弁当を食べている8人の従業員さんたちは、鋭い目つきで台所を見つめていた。

同時に、社長さんに対する不満を抱いた。

政子は、不安げな表情でかれらを見つめている。

そこへ印刷工場の社長さんが縁側にやって来たので、政子はやさしく声をかけた。

「あら、社長さん。」
「奥さま。」
「いつもごくろうさま。」
「ああ…あさってが期限の手形を決済することができたけん、やっとひといきついた…話し変わるけど、(機械工の主任)くんはうまくやってるかなぁ~」
「ええ、おふたりで仲よくカレーを作ってるわよ。」

政子は、社長さんに『お水を持ってくるね。』と言うて台所へ行った。

その時であったけど、図体がでかい男性従業員さんのAくんがお弁当を二つも食べていたのを社長さんが見た。

びっくりした社長さんは、Aくんを問い詰めた。

「コラ!!」
「なんぞぉ~」
「なんぞぉ~じゃなかろがボケ!!キサマはなんでお弁当を二つも食べよんぞ!!」
「午後から仕事がたくさんあるからと言うけん食べているのだよぅ~」
「コラ!!オドレはいつからドロボーするようになったんぞ!?」

(ガーン!!)

「ワーン!!」

社長さんは、Aくんのこめかみをグーで殴りつけた。

殴られたAくんは、ビービービービービービービービー泣き出した。

それを聞いた政子が台所から出てきた。
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