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乳房星(再リフォーム版)
第87章 女の帰郷
翌朝のことであった。

7~8人の彼らが暮らしていたアパートは、昨夜の豪雨による土砂災害で埋もれた。

よいたんぼであった彼らは、土砂に埋もれて亡くなった。

現場は、新たな土砂災害が発生するリスクをはらんでいるので、復旧作業ができない状態にあった。

たつろうさんの実家と周辺では土砂災害による被害はなかったけど、たつろうさんの実家の家族たちは『大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…』と言うてノンキにかまえていたようだ。

せやけん、いつぞや手痛いしっぺ返しを喰らうことになるであろう。

時は、午前11時過ぎのことであった。

たつろうさんの実家に、たつろうさんの姉(政子の前夫の連れ子)のあずさ(48歳)が二人の子供(中2の長女と小3の前夫の連れ子の男の子)を連れて東京から逃げてきた。

あずさの夫(50歳)が右翼団体の男数人とトラブったことが原因であった。

あずさの夫は、右翼団体の男数人を刃物できりつけて殺した。

それが原因で、投石による住宅被害が出た。

さらには、注文していないのに出前が届くなどのいやがらせを受けた。

あずさの夫は、事件のあと行方不明になった。

あずさは、政子六郎夫婦に助けを求めた。

政子六郎夫婦は、あずさと二人の子供を守るために『ほとぼりがさめるまでうちにいなさい。』と言うた。

「おおきに…おおきに…」

あずさは、政子六郎夫婦に何度も繰り返してお礼を言うた。

政子六郎夫婦は、問題を解決するために弁護士を立ててジダン交渉すると言うた。

しかし、近くに弁護士さんがいてへんけん困っている。

なので、たつろうさんに頼むことにした。

しかし、たつろうさんがどの辺りにいるのか分からないので困っていた。

たつろうは、今どの辺にいてはるのか…

近くに弁護士さんがいてへんけん困っているのよ…

お願い助けて…

政子六郎夫婦は、たつろうさんが帰って来るまで待つことにした。

政子六郎が弁護士さんを立ててジダン交渉すると言うたのはタテマエで、ホンネはヤクザが怖いけんなーんもせえへんと想うけどぉ~
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