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乳房星(再リフォーム版)
第116章 別れの一本杉
時は、日本時間10月4日の深夜0時30分頃であった。

私・イワマツは、雲の上にいた。

A班のメンバーたちが乗っている専用機は、10月3日朝9時頃に福岡空港を出発したあと、東シナ海からインドシナ半島を通ってインド洋へ抜けるルートに変更して最終目的地へ向かった。

この時間、専用機はマラッカ海峡を通ってインド洋へ出た。

専用機に乗っているA班のメンバーたちは、リクライニングシートにもたれて眠っている。

私は、ネットウォークマンで歌を聴きながら窓に写る真夜中の海をみつめていた。

イヤホンから、ネットでダウンロードした歌が流れていた。

今、私が聴いている歌は、氷川きよしさんのカバーで春日八郎さんが歌っていた『別れの一本杉』である。

私は、なにも言わずに窓に写る風景をながめていた。

さて、その頃であった。

カラオケパーティーを終えたけんちゃんたちは、帰宅途中であった。

あびるように酒をのみまくったけんちゃんは、かーくんとりゅうくんに両肩を抱き抱えられた状態で帰宅していた。

けんちゃんは『オレはまだのみたい…』と言うてワガママこねよる…

かーくんとりゅうくんは、けんちゃんに『ワガママ言うな!!』と怒った。

場所は、旭町側の一方通行始まりの交差点から二つ目の四つ角にて…

けんちゃんは、かーくんとりゅうくんに『ガールズバーへ行きたいけん、右へ行かせろ!!』と要求した。

かーくんとりゅうくんは、けんちゃんを連れて松本町のマルナカ(スーパーマーケット)へ向かう方向へ向けて歩かせた。

この時、けんちゃんは次々とトラブルを起こした。

けんちゃんは、その近くにある花屋さんを自分の家だと言うて大声をあげた。

「おーい、帰ったぞぉ~」
「コラ!!違うやないかぇ!!」
「るせー!!オレの家はここや…ヒョーサツがみえんのかボケ!!」
「コラ!!行くぞ!!」
「るせー!!…なんやねん…」

(ガラガラガシャーン!!)

けんちゃんは、花屋さんの出入り口付近にある植木鉢のたなを壊してもうた。

「コラ!!なんしよんぞ!!」
「るせー!!」
「るせーはオドレや!!」
「すみません…」

このあと、けんちゃんはななめ向かいの家の敷地に勝手に入った。

そして、玄関のドアを激しくたたいた。
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