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乳房星(再リフォーム版)
第138章 砂の十字架

時は午後2時過ぎのことであった。
場所は、和歌山県新宮市の熊野川沿いの地区にある斎場(やきば)にて…
A班のメンバーたちは、斎場(やきば)の近くの公園にいた。
たつろうさんは、斎場(やきば)へ行ったけど親類から『帰れ!!』と言われたので、おかあさま(政子)のご遺体と対面できんかった。
たつろうさんは、私たちのもとに帰ってきたあと尾鷲市の実家が売れたことを話した。
私は、おどろいた声で言うた。
「実家が売れた…」
「はい…」
「なんで?」
「さあ、理由はよくわかりませんけど…」
「ほな、残された家族はどないなるねん?」
「さあ、それも分かりません…」
たつろうさんは、ひと間隔あけて私たちに言うた。
「たぶん、この前の(21号)台風と7月の西日本豪雨の時に猛烈な雨に襲われたので…地区が危なくなったと想います。」
「たつろうさんの実家がある地区は、大規模土砂災害の想定区域に指定された地区ですか?」
「ええ、その通りです。」
「他に、なんぞ理由はおますか?」
「いえ…なんも聞いてまへんけど…」
たつろうさんは、ひと間隔置いて私に言うた。
「ヨシタカさん。」
「あっ、はい。」
「ゆりこさんとお会いになりますか?」
「えっ?」
「ゆりこさん、ものすごくつらそうな表情を浮かべていたけど…」
たつろうさんの言葉を聞いた私は、ものすごくコンワクした。
ミンジュンさんは、たつろうさんに言うた。
「会わない方がいいわよ…ヨシタカさんがダメになるわよ…」
「そう…ですか…」
「もういいでしょ…早く旅に出ましょ…」
ミンジュンさんの言葉を聞いた大番頭はんは、出発すると言うた。
「ほな、そろそろ出発しまひょか?」
このあと、A班のメンバーたちは特大バスに乗ってJR新宮駅へ向かった。
その後、JR新宮駅からきのくに線特急オーシャンアロー号と新幹線を乗り継いで岡山駅へ向かった。
夜8時頃、A班のメンバーたちは岡山空港から専用機に乗って旅に出た。
次回、来日予定は未定…
たぶん…
この日で最後になると想う…
私は、ゆりこに会うことができなかった…
けど、それでよかった…
私の帰る場所は、桜子たちとアンナが待っているフレンチリバーの本籍地の家である…
クリスマス休暇の前の日までに…
桜子たちとアンナのもとへ帰りたい…
帰りたい…
場所は、和歌山県新宮市の熊野川沿いの地区にある斎場(やきば)にて…
A班のメンバーたちは、斎場(やきば)の近くの公園にいた。
たつろうさんは、斎場(やきば)へ行ったけど親類から『帰れ!!』と言われたので、おかあさま(政子)のご遺体と対面できんかった。
たつろうさんは、私たちのもとに帰ってきたあと尾鷲市の実家が売れたことを話した。
私は、おどろいた声で言うた。
「実家が売れた…」
「はい…」
「なんで?」
「さあ、理由はよくわかりませんけど…」
「ほな、残された家族はどないなるねん?」
「さあ、それも分かりません…」
たつろうさんは、ひと間隔あけて私たちに言うた。
「たぶん、この前の(21号)台風と7月の西日本豪雨の時に猛烈な雨に襲われたので…地区が危なくなったと想います。」
「たつろうさんの実家がある地区は、大規模土砂災害の想定区域に指定された地区ですか?」
「ええ、その通りです。」
「他に、なんぞ理由はおますか?」
「いえ…なんも聞いてまへんけど…」
たつろうさんは、ひと間隔置いて私に言うた。
「ヨシタカさん。」
「あっ、はい。」
「ゆりこさんとお会いになりますか?」
「えっ?」
「ゆりこさん、ものすごくつらそうな表情を浮かべていたけど…」
たつろうさんの言葉を聞いた私は、ものすごくコンワクした。
ミンジュンさんは、たつろうさんに言うた。
「会わない方がいいわよ…ヨシタカさんがダメになるわよ…」
「そう…ですか…」
「もういいでしょ…早く旅に出ましょ…」
ミンジュンさんの言葉を聞いた大番頭はんは、出発すると言うた。
「ほな、そろそろ出発しまひょか?」
このあと、A班のメンバーたちは特大バスに乗ってJR新宮駅へ向かった。
その後、JR新宮駅からきのくに線特急オーシャンアロー号と新幹線を乗り継いで岡山駅へ向かった。
夜8時頃、A班のメンバーたちは岡山空港から専用機に乗って旅に出た。
次回、来日予定は未定…
たぶん…
この日で最後になると想う…
私は、ゆりこに会うことができなかった…
けど、それでよかった…
私の帰る場所は、桜子たちとアンナが待っているフレンチリバーの本籍地の家である…
クリスマス休暇の前の日までに…
桜子たちとアンナのもとへ帰りたい…
帰りたい…

