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乳房星(再リフォーム版)
第148章 別れても好きな人
夕方頃であった。

私は、那珂川にかかるであい橋を渡って、中洲川端のネオン街にやって来た。

通りのスピーカーから、シルビアとロスインディオスの歌で『別れても好きな人』が流れていた。

何時頃、どの辺りにいたのかおぼえてなかったけど、どこかで男の子のなさけない声と男の怒号が聞こえたようだ。

私は、通りにある映画館のわきの露地へ行ってみた。

問題の声は、私がいる場所から300メートル先の場所から聞こえていた。

私は、現場の20メートル手前までギリギリ接近した。

現場には、溝端屋のダンナとヤクザの男たち30人と私が転学した高校の男子生徒ひとりがいた。

男子生徒は、莉江子のカレで学校イチの英才くんの温品衛二(ぬくしなえいじ)であった。

なんで学校イチの英才の温品くんがここまで来たのだ…

なんで温品くんがヤクザにからまれているのか…

わけがわからんなった私は、危険をおかしてさらに5メートル手前まで接近したあと身を潜めた。

身を潜めた私は、聞き耳を立てて現場の様子を立ち聞きした。

温品くんは、前日ゆめいろ市の大型公園で退学しそうな男子生徒ふたりを助けるために署名活動をしたと主張した。

しかし、溝端屋のダンナは温品くんたちになわばり荒らされたので激怒していた。

複数のヤクザの男たちからボコボコにいて回された温品くんは、顔がボコボコに傷ついた。

温品くんは、ボロボロに傷ついた顔で溝端屋のダンナに許し乞いをした。
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