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それでも僕は
第14章 14★





俺は急かすことなく、ケイが食べ終わるのを待つ。ケイにはどんなに時間をかけてでも立ち直ってほしかった。たったひとりの肉親を亡くして放心状態のケイをひとりにできず、俺はもう1週間も学校を休み、ケイのそばに寄り添っている。
「ケイ…風呂行こう」
俺はアメニティセットと着替えを準備する、ケイぼーっとしたまま動かない。ケイが今何を考えているのか分からない。風呂に入りたくないんsら無理に入れる必要はない…。俺はそう思いアメニティセットと着替えを片付けようとする。
「ゆう…行かないで…」
目を覚まして数日無言だったケイが急に喋り出したので俺は思わず目を瞠って驚く。ケイは縋るように俺の腕を掴む。
「分かったよ、ケイ」
俺は腕を掴んでいるケイの手を離す、ケイの黒耀の瞳が不安と恐怖で揺れる。俺はケイの手を両手で握り締める。
「一緒に風呂入ろうか?」
「……うん…」
ケイは短く頷いてベッドから降りる、俺は自分の着替えも準備して、ケイの腰を抱いて引き寄せる。ケイは俺から離れたくないのか俺の腰に腕を巻き付ける。俺とケイは病院の風呂場に入る。
「病衣を脱がせるだけだから…」
俺の腰に巻き付けられているケイの腕を外すとケイが泣き出しそうになる。俺はケイの病衣を脱がせ、腰にタオルを巻く。
「ケイ…身体洗うよ」
ケイはぼーっとしたまま大人しく俺に身体を洗われる。
「頭洗うからイスに座って」
ケイは俺に言われた通りバスチェアに座る。俺はケイの黒い髪を丹念に洗う。されるがままのケイを後ろから抱き締める。ケイがこんなに傷付いているのに俺は何もできない。慰める言葉すら思い浮かばない自分に苛立ちを覚える。







「ゆう…」
風呂から上がって病室に戻り、ケイをベッドに寝かせようとするが、ケイが俺の腕を離さない。
「……どうした。?ケイ?」
「………一緒に寝よう?」
「……良いよ」
俺はケイと一緒にベッドに横になる。ケイは俺の背中に手を回す。
「……ちゃんと……ちゃんと立ち直るから…もう少しだけ…甘えさせて…」
震えているケイを俺はそっと抱き締め、額にキスを落とす。
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