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それでも僕は
第18章 18★



「なあ、そろそろクリスマスじゃん、南と楢崎はどうするんだ?」
クリスマスをあと1週間後に控えた教室、俺と達也が雑談しているとクラスメイトの井原がクリスマスの予定を尋ねてきた。俺と達也は一瞬顔を見合わせる。
「俺は家族でクリスマスパーティーするから」
「…俺もその日は友達と遊ぶ予定があるから」
俺と達也が予定を告げると井原が露骨にがっかりした。
「……せっかくクリスマスに合コンしようと思ったのに」
「だからあらかじめ予定を入れていたんだよ」
達也が小声だが吐き捨てるように言う。井原には聞こえていなかったが、明らかに不機嫌になった達也に俺は苦笑いした。遊んでいるように見えて意外と硬派なのか達紀の浮いた話を聞いたことがない。あまり恋愛に興味ないかもしれない。
「楢崎は相変わらずこういうの付き合い悪いな」
「……誰もがそういうのに興味あると思うな」
達也の態度がここまで頑なだと実は意中の相手がいるんじゃないかと思うが、やぶ蛇になりそうなので俺は大人しく黙っていることにした。
「……せめて南が来てくれたらな…」
井原が俺に良心に訴えるような目を向ける。それを見た達也が眉をひそめた。
「久しぶりに会う相手だから」
「えー?」
「そうやってしつこいからお前はいつまで経っても恋人できないんだよ」
なおも食い下がろうとする井原に達也の鋭い指摘が飛ぶ。達也の毒舌にぎゃふんと間の抜けた声をあげる井原。俺はそんなふたりのやり取りにただ苦笑することしかできなかった。






(もうすぐクリスマスか…)
金銭的な余裕はないがクリスマスくらい一緒にいたいし、できれば何かプレゼントしたい。冷たい風に身を縮めながらいつもの場所で客を探す。
「君が『黒崎』くん?」
俺は呼ばれたほうに顔を向ける。俺を呼んだ男は金髪に耳や舌にピアスを大量に着けた男が舌なめずりしながら俺を見ている。
「初めまして黒崎くん」
何か含みを感じる男に俺は警戒心を抱く。
「なあ、黒崎くんって躰売ってるんだろ?」
「………それで?」
「これから暇なんだけど、俺達の相手してくんね?」
「俺達…?」
男は俺の首に腕を回し、顔を近付ける。
「そっ、俺の友達含めて相手してよ」
「……遠慮しておくよ」
男はとても金を持っているようにはとても見えない。
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