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それでも僕は
第20章 20★


「ふあああ…」
俺は人目を憚ることなく、大きなあくびをする。昨日も夜遅くまで男に抱かれたせいで寝不足気味の俺は眠気を覚ますために自販機でブラックコーヒーを買う。これからケイと会うので寝ぼけ眼で会えない。苦い液体を一気に飲み干して眠気を覚ます。
「ゆう!!」
待ち合わせ場所の小学校近くのコンビニに向かうとケイが俺を待っていた。俺に向かって走って駆け寄って来るケイに俺は苦笑する。
「逃げないから、歩いて来れば良いのに」
体力ないのに走って来たケイに俺はヒヤヒヤする。案の定、ケイは長い距離を走ったわけでもないのにケイは息を切らしている。俺は苦笑してコンビニに入ってスポーツドリンクを買う。
「はい、これ飲んで息を整えて」
「ありがとう、ゆう」
俺はケイにスポーツドリンクを手渡す。ケイは少しはにかみながらスポーツドリンクを受け取る。もう何度もケイの笑顔を見ているのに、ケイが笑うたびに俺の胸が高鳴る。俺はケイを抱き締めるのをぐっと堪える。
「じゃあ行こうか」
ケイが息を整えるのを確認した俺はケイと一緒に俺の暮らしているマンションに向かう。明日から検査入院するケイが1日だけでも一緒にいたいと言うから、検査入院前に、ケイの病院に近い俺の家に泊まることになった。ケイは普段明るく振る舞っているが、最近発作が多くなっているせいで不安なんだろう。せめて今日だけは徹底的に甘やかしてあげようと思う。
「ゆ、ゆう…」
人気のない路地に入るとケイが俺の手に触れる。遠慮がち手を握ろうとするケイに不覚にも俺の胸がときめいてしまう。どんだけ可愛いんだ、ケイ…と歓喜しながら俺はケイの手を深く握り返した。
「ゆう…」
「……誰も見てないし、良いだろ?」
恋人繋ぎで握り返した俺にケイが頬を赤くする。俺はいつまでこの小さい手を握っていられるんだろうか?まだ腰を苛むズキズキとした痛みが俺に夢を見せることを許さない。昨日も夜遅くまで複数の男を相手し続けていたせいで身体のあっちこっちが軋む。今のところ何事もなかったように取り繕えているがいつケイの前でぼろを出さないか気が気ではない。せめてケイの前だけでは格好良い俺でありたい。
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