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それでも僕は
第20章 20★

「やあ、黒崎くん」
幸せな時間が唐突に終わりを告げた。俺とケイの前に真っ黒なスーツを着た男性が経っていた。その男を見た瞬間、サーッと俺の血の気が引いた。
「……黒崎…?」
男が呼んだ名前に心当たりがなく、首を傾げるケイ、一体誰のことだろう?と考え込んでいるとケイは俺がガタガタ震えていることに気付く。
「……ゆう…?」
ケイは青ざめている俺を見上げる。俺はケイが心配していることに気付かないほど動揺していた。
「………な、なんで…こ、ここに…」
「たまたま黒崎が歩いているところを見かけたんだよ」
今にも泣き出しそうな俺の声に、ケイは男の言う黒崎が俺であること察する。
「ずいぶん、仲良さそうだけど、もしかして付き合ってんのか?黒崎?」
「……ッ…!!」
目の前の男に気を取られるあまり、後ろから複数の男が近付いていつことに気付くのが遅れる。男のひとりがケイに手を伸ばす。
「……ッ…!!……触んなッ…!!」
我に返った俺はケイに触ろうとした男の手を弾いて、男達の手がケイに触れないようにケイを抱き寄せる。目の前のにいる男に気付いた瞬間、ケイの手を引いて大通り逃げるべきだったがすでに前後に男がいてそれぞれ逃げ場を塞いでいる。
「…ずいぶん、大事にするんだな…ソイツ」
後ろからこっそり近付いて来た男が露骨に不機嫌になる。俺は自分の大きな身体でケイを隠す。
「……ちょっとこっち来いよ」
「…は、離せッ!!」
男達は俺の腕を掴んで、俺とケイを人通りから離れた裏路地に連れ込む。俺はケイを後ろ庇いながら男達と向き合う。
「お、おい、悪ふざけはそれくらいにしろよ」
強気な言葉とは裏腹に俺の脚はガクガク震えていた。ケイを男達からの魔の手から守らないといけないのに、男達によって俺の身体に刻まれたトラウマのせいで動けない。
「悪ふざけなんてとんでもない…俺はただ黒崎と……」
男は怯える俺から視線を外し、ケイのほうにねっとりとした視線を向ける。それを見た瞬間、心臓をナイフで刺されたような衝撃に襲われる。
「その恋人と仲良くしたいなって思っただけだ」
「やめろッ!!コイツだけは手を出すなッ!!」
必死にケイを庇う俺を見て、男は目を三日月状に歪める。
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