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それでも僕は
第21章 21☆

間違って後悔して、また間違って…。



どうすれば彼を傷付けずにすんだんだろうか?



「そういえば、南さんとどうよ、慧」
前の席の亨が後ろの席の俺のほうを向いた。興味津々の亨に俺は苦笑する。
「うん、順調だよ」
「ひゅ…やったじゃん」
亨が口笛を吹いた。それを隣で見ていたあやめちゃんがため息を吐いた。
「あまりからかったらダメだよ、亨くん」
冷やかす亨をあやめちゃんがジト目で咎める。亨とあやめちゃんは俺とゆうの関係を知っている、そのため亨はちょくちょく俺にゆうの関係を尋ねてくる。
「でも、南さんが優しい人で良かったね、慧くん」
「うん…」
あやめちゃんの言葉に俺は満面の笑みで返す。最近、体調を崩すことが増えたせいでゆうと会える時間が減ったのが痛いけど、限られた時間でもゆうはたくさん俺を愛でてくれる。俺は1ヶ月前にゆうにたくさん愛でてもらった時のことを思い出す。ゆうの逞しい身体に抱き締められ、大きくてゴツゴツしたゆうの手が俺の身体を優しく撫でる。
「……ッ…!!」
ゆうとの甘い時間を思い出し、俺の顔に熱が集まる。それを見ていた亨とあやめちゃんは顔を見合わせる。
「相変わらずラブラブで羨ましいな」
「もう亨くんったら、慧くんは純粋なんだからあまり茶化したらダメっていつも言ってるでしょ?」
あやめちゃんは俺を茶化す亨に冷たい視線を送る、亨は咎めてくるあやめちゃんに愛想笑いで答える。このふたりの関係はちょっと難しい、恋人同士と言えばそうも見えないこともないが、それにしてはふたりの間で漂っている空気はかなりカラッと乾いている、だけど赤の他人と言い切るにはふたりの距離はあまりにも近すぎるような気がする。
「ごめん、そろそろゆうと待ち合わせの時間だから行くね」
「おう、いってらっしゃい」
「ふふ…頑張ってね」
俺が時計を確認するとゆうとの待ち合わ時間に迫っていた、俺は急いで帰る準備を済まし、席から立ち上がる。俺はふたりに見送られながら教室を出た。



「ふわ…」
そろそろ1月も終わると言うのにまだまだ寒い。年末年始は俺が入院してしまったせいで一緒にいられなかった。ゆうと一緒に年越ししたかったし、初詣にも行きたかった。
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