この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
それでも僕は
第7章 7★





想いの果て…。





俺はIT関係の会社の社長の父に高校教師の母の元に生まれ何不自由ないを送っていた。友達にも恵まれ幸せを謳歌していた俺に突然の悲劇が襲った。
『残念ですが宗馬さんと優花さんは』
父が休暇を取って母とふたりで出掛けた帰り道…交通事故が起き、俺の両親帰らぬ人となってしまった。両親の親族について何も聞かされていない俺は誰を頼って良いか分からず途方に暮れていた。
「優馬くん、大丈夫?」
「はい、少し落ち着いたので大丈夫です」
俺の言葉に看護士が悲しげに目を伏せた。看護士の悲しげな表情がさらに俺の胸を締め付けた。会話が途切れ重い沈黙が続くと規則正しい足音が近付いて来た。
「優馬はいるか?」
「…どちら様ですか?」
いきなり入って来た神経質そうな男を看護士が睨む。高そうなスーツを着た男性は看護士に目も暮れず俺のほうを見る。
「優馬か?義兄さんの生き写しだな」
「あ、あの…」
知らない男が俺の顔をじろじろ覗き込む。
「あの…どちら様ですか?」
無視された上に今家族を亡くしたばかりの子供に迫って来る男に看護士は厳しい口調で身元を問い質す。
「……その様子だと義兄さんと姉さんは家族についてほとんど説明していないみたいだな」
それもそうかと呟くと男は頭を掻いた。
「僕は南 優斗…君の母の弟で、君に取って叔父に当たる」
いまいち事情が掴めない俺に優斗は根気良く事情を説明した。父さんの生家は一族が先生や社長とか呼ばれるような職に就いている一族で真面目で優秀な父は将来を期待されていたが高校時代に出会った父の高校時代の担任だった母と大学卒業と同時に結婚した。父と母の結婚は駆け落ち同然だったらしく祖父は議員の娘と父を結婚させたかったらしい、それで元々険悪だった父と祖父の関係は完全に断絶した。それ以降ほぼ父は実家に帰ってないらしい。
「…………初めて知りました…」
父の実家についてなにも知らなかったことに落ち込む俺に優斗さんは苦笑した。
「宗馬義兄さんも実家のことは苦い思い出みたいで僕にもなかなか話してくれなくってさ、姉さんとの結婚が決まってようやく教えてもらったくらいさ」
看護士さんは俺と優斗さんにお茶を淹れて退出した。
/219ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ