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それでも僕は
第7章 7★





乾いた喉を潤した優斗さんは続きを話した。
「僕と姉さんは小さい頃に両親が他界して施設で育ったからその点含めて宗馬さんの父さんは僕達にあまり良い印象を抱いていないみたい」
「…そうなんですか」
優斗さんの話に気落ちする俺。優斗さんはそれを見て俺の肩に手を置いた。
「そういうわけだから優馬は僕のところに来ないかい?」
「えっと…良いんですか?初めてあったばかりなのに…」
「あぁ、君が幼いころに実は何度か会っているよ…そのあと海外出張決まってから長年疎遠になってしまったけど」
不安そうな俺に優斗さんは表情を緩める、やっぱり姉弟なのか表情を緩めた優斗さんは母を彷彿させる。
「分かりました、これからよろしくお願いします」
深々と頭を下げた俺に優斗さんは慌てて手を振った。
「優馬…僕にそんな気を使わなくても良いから」
「はい…」
ひとまず両親の葬式の手続きで忙しい優斗さんに断って俺は病院の休憩室に向かった。両親が亡くなり記憶にない叔父と暮らすことになったこと、あまりいろいろあり過ぎて頭がパンクしそう。俺はイスに座りうなだれる。
(はぁ…)
俺と両親の仲は良かったせいで突然の別れに俺は精神的に参っていた。
「…………………」
落ち込んでいる俺をじーっと見ている病衣の子供に気付く。
「どうした?お腹痛い?」
「いや、別にお腹痛いわけじゃ」
俺はため息を吐いてイスから立ち上がり自販機に向かう。その子供が俺のあとを着いて来る。俺はミルクティーを買って視線を後ろの子供に向ける。
「……何が良い?」
「うーん?」
少し悩んだあと俺と同じミルクティーを指差した。
「なぁなぁ俺、彩木 慧って言うんだけど、君は?」
「………南 優馬…」
俺がイスに座ると彩木くんは俺の隣に座る。やたら距離を詰めて来る彩木くんに戸惑う。さらさの黒い髪に澄んだキレイな黒い目、肌は雪のように白く女顔だが整っている顔立ち、純真無垢な美少年にじろじろ見つめられ居心地が悪い。
「……どうかしましたか?」
「ううん、なんでもない」
そうは言いつつも俺のことをチラチラ伺い続ける彩木くん。
「南、死にそうな顔してたけど大丈夫?」
「あぁ…」
彩木くんが不安そうに覗き込む。
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