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それでも僕は
第7章 7★




彩木くんが目を覚ましたら何を話そうか…そんなことを考えながら俺は彩木くんの手を握り続けた。
「んッ…」
彩木くんの薄い唇がかすかにだが確かに震えた、俺はそのかすかな動きを見逃さなかった
「さ、彩木くん!!」
「…う、え?み、南さん!?」
俺が興奮を抑え彩木くんが名前を呼ぶと俺の存在に気付いた。
「良かった…」
俺は彩木くんが目を覚まして安堵の息を吐いた。
「看護師さん、呼ぶね」
俺はナースコールを押す、すぐにいつも彩木くんのお世話をしていた看護師がやって来た。俺が看護師に彩木くんが目覚めたことを伝える。その後は色々と慌ただしく過ぎて行った




「…慧のことお願い」
仕事を抜けて彩木くんの様子を見に来た佳代さんは俺に彩木ことを託して仕事に戻って行った。俺は佳代さんの見えなくなるのを確認して彩木くんの病室に入った。
「……彩木くん」
冬の柔らかい陽射しが彩木くんの白い肌を照らす、まるで絵画のように美しいくも儚い彩木くんに俺は息を飲んだ。彩木くんは俺を見ると驚いたように目を瞠ったあと悲しそうに笑った。
「…体調は大丈夫か?」
俺はスツールを引き寄せ腰掛ける。診察やら何やらで彩木くんが目覚めて5時間以上経ってようやく腰を落ち着けて話せる。
「……ごめんなさい、南さん」
何を話そうかと悩んでいると彩木くんが俯きながら謝り始めた。
「…彩木くん」
「ごめんなさい、迷惑ばかりかけてごめんなさい」
ごめんなさいと連呼しながら泣き出す彩木くん。俺は彩木くんの頬に手を当てる。
「……彩木くん」
「…み、南さん?」
「…好きだよ」
彩木くんが目を瞠って意味が分からないと困惑する、俺は彩木の頬を両手で挟み見つめる。
「えっとどういう意味で…」
「もちろん愛しているって意味だよ」
今、ここで勇気を振り絞らないと一生、彩木くんに想いを伝えられないかもしれない。俺はなけなしの勇気を振り絞り、自分の想いを彩木くんにぶつける。
「…彩木くんともう会えないかもしれないと思うと胸が苦しい、彩木くんが発作で苦しんでるのを見て辛かったし、俺が代わってやれたらどんなに良いかってずっと思ってた」
俺の言葉に彩木くんが涙を流す。
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