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籠の中の天使
第9章 告白
「それと、もう一つ…、これは咲都子ちゃんも良くない事をしてると俺は思ってる。」
北斗さんがメッと口遊み、わざとらしく私を睨む。
「私も?」
「そう、咲都子ちゃんを好きだと言った男の子…、その子に対して咲都子ちゃんは頭っから関わりたくないと拒否したんだよね?」
「それは…。」
「さっきも言ったように、無理に付き合ったり友達になれって言うつもりは無い。でも、その子がどんな子かすら知らないのに拒否をするって事は咲都子ちゃんをこの街の子だからと勘違いをしてた子達と何も変わらないんじゃないかな?」
北斗さんの言う通りだ。
私の決めつけだけで峯岸君を見てたと思う。
しかも、南斗の前で堂々と告白した峯岸君に私は自分で断る誠意すら持たなかった。
「前にも言ったけど、俺も南斗も咲都子ちゃんに無茶をして欲しい訳でも無理をして欲しい訳でも無い。だからと言って南斗にだけ甘えて自分の人生から逃げるような事もして欲しくないんだ。咲都子ちゃんなら、わかるよね。」
最後は穏やかで優しい笑顔の北斗さんだった。
私が頷けば
「さて、毎日病院通いをして面会謝絶の札を睨んでただけの情けない弟を大事な天使に会わせてやるか。」
とふざけた口調で北斗さんが言う。
そんな言い方をされたら恥ずかしくて掛け布団に顔を埋める。
ふふふと笑う北斗さんが病室から出て行くと、妙に落ち着かない気分になってソワソワする。
南斗に会える?
でも南斗は怒ってる?
私が馬鹿な事をしたから南斗は北斗さんに叱られた。
どうしよう…。
先ずは南斗に謝って…。
って、私って2日間も寝てたって北斗さんが言ってた。
臭くないか、髪は乱れてないか…。
南斗に会えるというだけで心臓が激しく鼓動をするから顔が段々と熱くなり、その恥ずかしさから、やっぱり面会謝絶のままにしてて欲しいとか考えちゃう馬鹿な私だった。