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籠の中の天使
第9章 告白
一人でも大丈夫だと自分勝手な証明をする為に鞭を打たれた私の身体に、ついて行けなくなる心が再びありとあらゆるものを遮断しようとした結果が今の私…。
それは今までの南斗や北斗さんの努力を踏みにじっただけにしかなってない。
「なん…とは?」
「面会謝絶…。」
顔を顰め、眉間に皺を寄せる北斗さんが今の私に南斗を会わせる訳にはいかないと言う。
南斗に会えない…。
いや、もしかしたら南斗は無茶をした私とは、もう会いたくないのかもしれないという勝手な想像で心に不安が広がる。
「こら、落ち着け…。」
呆れ顔になる北斗さんが長い指先で私の頭をぐしゃぐしゃと掻き混ぜる。
「だって…、うぇ…、北…斗さん…、南斗…に…、ふえぇぇぇ。」
泣き出した私を北斗さんが笑う。
「南斗なら、今は病院の廊下に居る。面会謝絶にしたのは南斗に反省をさせる為だ。保健医である、あいつがついていながら咲都子ちゃんが意識を失うとか…、情けないとしか言い様がない。」
涙でベチョベチョになった私の顔を北斗さんがベッドの脇にあったティッシュで拭いてくれる。
「彼氏が出来たって?」
私の目を覗き込んで聞いて来る北斗さんの質問に、喉が詰まる。
「ち…が…。」
「でも、男の子に好きだって言われたんだろ?」
小さく頷く私を北斗さんが優しく叱る。
「その子に自分の口から付き合えないって咲都子ちゃんはちゃんと言えたの?」
首を横に振るしかない。
「南斗はさ、別に彼氏を作れとか無理に友達を作れとか、そんな事を咲都子ちゃんに望んでる訳じゃない。ただ、咲都子ちゃんが嫌な事は嫌だと自分の言葉で言えるようにならなければ人間関係の第一歩は踏み出せないと考えただけなんだ。」
私に対する南斗の言葉が足りな過ぎるのだと北斗さんは南斗を叱ったらしい。