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籠の中の天使
第10章 快楽と戸惑い
それでもいいの…。
何をされても南斗だから許せる。
南斗の温もりの中にずっと浸っていたい。
幸せな笑みを浮かべて籠娘は暗闇に堕ちる。
感じ過ぎた身体はいつまでもビクビクと震えてた。
南斗が好き…。
目が覚めたら、私の気持ちを伝えよう。
きっと、南斗は耳まで赤くなって照れた笑顔を私に見せてから優しくキスをしてくれる。
現実を見ようとしない私だから南斗以外の何も見えなくなる。
暗闇の中で意識を取り戻せば、南斗に貸してたブランケットに包まれてる私は自分のベッドに寝かされてる。
「南斗…。」
もう深夜…。
ご飯を食べ損ねたと後悔する。
北斗さんからは南斗との生活で食事をサボったら、また入院させるとキツく言われてる。
「明日から頑張って食べます。」
手を合わせて、ここには居ない北斗さんに謝る。
南斗の部屋を覗いたけど、真っ暗で何も見えない。
明日も仕事がある南斗をこんな深夜には起こせない。
朝が来るのが待ち遠しいとか今までの私からは考えられず、ワクワクとして夜明けを待つ。
結局は待ちきれなくて朝の5時から張り切って朝食を作る。
私はトースト派…。
南斗は和食派…。
夕べ、食べ損ねた鮭のムニエルをレタスやトマトなどのサラダと一緒に食パンに挟み、夕べのトマトスープを温める。
南斗の分は卵焼きと納豆を用意し、それに大根とワカメのお味噌汁を作ってからテーブルに2人分の食事を並べる。
新婚カップルってこんな感じ?
気分はすっかり新妻だからエプロンを付けたまま南斗を起こすのが楽しみになる。
6時半…。
南斗を起こす為に愛おしい人の部屋の扉をノックする。
ちょっとガッカリだったのは南斗が既に起きてて学校に行く服に着替えてた事…。
「起きてたんだ。朝ご飯…出来てるよ。」
ご機嫌なだけの私に南斗の気持ちがわからない。