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籠の中の天使
第18章 欲しいの…
「行かないの?」
「俺は咲都子の可愛い顔が見れたら、それでいい…。咲都子は穂奈美さんとランチがしたいのか?」
ブカブカのシャツの胸元からはみ出た乳房にノアが口付ける。
身体中にじわじわとする微量な電気が走り、さっきの火照りが戻って来る気がする。
「どうする?」
私の目を真っ直ぐに見つめるノアの質問…。
このままノアの愛撫に溺れるだけになるのも、市原さんの為に外に出るのも私次第だとノアが私の選択を見守る。
「シャワーを浴びて…、市原さんのランチに行きたい…。」
赤い炎に向かって嘘の無い答えを出す。
「OK…。」
チュッと軽く私の唇でリップ音を奏でたノアは軽々と私を抱えてお風呂へと向かう。
2人でシャワーを浴びてからの私は戦争だ。
「服…、どうしよう?後、メイクっ!失敗したらどうしよう!?」
市原さんの前に出るのに、ガッカリとかさせたくない。
時間がなく、どんどん焦る私をノアが笑う。
「落ち着け…、服ったって咲都子は穂奈美さんから買った服しか持ってないし、メイクは千鶴さんに教えて貰ったやり方しか知らないだろ?」
「そうだけど…。」
「なら、千鶴さんに教えて貰った通りにするだけだ。」
のんびりと構えるノアが私の背中を軽く叩く。
ノアに背中を押された形で私は私に出来る事を1つづつ熟す。
千鶴さんに教わったメイク…。
今日は少し色を抑え、控えめのメイクにする。
髪をセットし、服を選ぶ。
秋晴れの空に似合う胸元が少し空いた水色のブラウス…。
ベージュのロングスカート…。
夕方の気温差を考えて、紺色の大きなチェック柄が入ったストールを羽織れば、少し大人びた私が鏡の中から私を見てる。