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籠の中の天使
第21章 繋がり
自分のベッドに座る南斗が私を睨む。
「それは…、ダメだ。」
そう言われるから南斗の前で仁王立ちをして睨み返す。
「なんでよ?」
私の質問に南斗は耳まで真っ赤にして目を逸らす。
「だから…、俺だって…、男だからな。」
ゴニョニョと情けない事を言って俯く。
これが南斗だと思うから、ため息が出る。
2人でご飯を食べてお風呂を済ませた後、南斗のベッドで寝たいと言った私を拒否するのに必死な男に悲しくなる。
「我慢とか要らないから…。」
「けど、咲都子はまだノア君が好きだろ?」
「ノアには振られたのっ!南斗は慰めてくれないのっ!?」
「そういう形で咲都子を俺のものにするのは…、気が引ける。」
南斗は、そういう人だ。
だからこそ、ノアのように強引にでも奪って欲しいと願う。
「初めてはノアにあげるつもりだった。南斗がそうやって私を受け入れてくれないから…。」
私の本音を言う。
ノアに抱かれた後は、あの街の籠娘として堕ちるだけの人生を送るはずだった。
そんな私にノアは他の未来があるという可能性を見せてブレーキを掛けた。
ノアには南斗が愛のないSEXは私が傷付くだけだとブレーキを掛けた。
ここで南斗が私を拒否すれば、同じ事の繰り返しになる。
「南斗に愛されてる意味を知りたいの…。」
南斗の前に跪き、俯く南斗の頬に触れる。
少し顔を上げた南斗の手が私の手に重なる。
「愛してるよ。誰よりも…、咲都子を愛してる。」
頬から外した手の平に口付けをしながら南斗が囁く。
「だったら…、抱いてよ…。ノアの事なんか忘れちゃうくらいに…。」
強請り方も、もう知ってる。
ノアに言えなかった言葉や、出来なかった仕草も南斗の前でなら何の抵抗も感じない。